RUIN

15歳女児

まとめは依存、まとめは甘え。

ツイートをまとめる以外に脳が無いのか。

生活の知恵と気付きです。

 

 

バイトに纏わる本当の呟き

HTMLを学んでいる。

労働を巡る喜怒哀楽を纏めました。

 

サブカル女子がなるべくサブカルでない本をおすすめする Part2

 例によってサブカルかどうかは全く考慮しておらず、"サブカル"という単語を敬遠する人物だけがこの記事からブラバしてくれればいいなという小さじいっぱいの願望によって構成されてしまった題名。

 

 最近ミステリにハマってるので、私が読んできたミステリ小説を何冊か紹介するぜ。感想も兼ねているので既に読んだ人も読めるはず……

 あと前回アフィブロみたいな雰囲気になっちゃったので喋り言葉でいくぜ、レディファイッ!

 ミステリを読んだことが無い!と言う人向けに種類を解説。(各自飛ばしてね)

 

 ミステリの中にもいくつかジャンルがある。本格ミステリバカミス、メタミステリ、アンチミステリ、青春ミステリなど。

 本格ミステリはよくドラマや映画になっている推理重視の作品だ。地の文で嘘をついてはいけないと言う決まりを遵守しなければならない。ここで登場人物なりの解釈や偏見が入ると「叙述トリック」として扱われるんだねー。

 バカミスは大まかに二つの意味に分けられる。「そんなバカな!」と驚くミステリーと、「バカバカしくなる」ミステリー。物理的に不可能だと誰でもわかるような突拍子もないトリックや結末を利用した作品。

 メタミステリは推理小説の形式を利用した作品。……というと難しいかもしれないけれど、犯人が出版者である、とか探偵が犯人である、とかいうと簡単かも。

 アンチミステリは推理小説という枠組み自体に疑問を呈する作品。メタミステリとアンチミステリには少し似たところもあって、上記の理由によって推理を放棄してしまったりするとアンチミステリに分類されたりする。しかし、探偵が仕事として雇われても推理を放棄してしまうパターンもあるので、一概にこのジャンルであると分類できない作品も沢山あるのだ。アンチ、メタにも程がある!って作品がバカミスになる事もあるし。……ただ勘違いして欲しくないのが、ここでいう"バカ"や"アンチ"は貶すための言葉じゃないってこと。

 青春ミステリは文字通り主人公やその周りの思春期の少年少女達をメインとした作品で、物語が進行するにつれ関係性も進展していくことが多い。このジャンルの作品は児童向けに出版されることが多く、児童文学との境が曖昧だ。幼少期、少年少女が探偵団を作って活動する小説を読んだことがある人もいると思う。推理をする、という点ではミステリーの枠組みに入るのだろうが、刑法に関わる事件が起きなかったり、推理はそこまで難しくなかったりする点で「推理要素を持つ児童文学」扱いになってしまったりする。……本当にあなたはミステリを読んだことが無いのだろうか?

 

 ……思いのほか長くなってしまったのでそろそろ本題に入ろうかな。本格ミステリも求めてやって来た人は帰った方が無難。まだ十数冊しか読んでないのに、濃すぎる引き……

 

 ○○○○○○○○殺人事件   早坂吝

 エロミスです。まじかよ。ミステリってこんなのあるんだ。正直らいち(本作の探偵)が出てくるまでエロの欠片も見せてこないので、見に来た映画の内容が予告と全く違う!ってくらい面食らった。文庫版は表紙がちょっとエッチ……だけど単行本はめっちゃシンプル。見せパンの女の子がでかでかと載ってるのはちょっと気が引ける、って人は単行本を買うべし。

 早坂さん、お名前の格好良さも然る事乍ら、とってもスマートで読みやすい文章を書かれる。読み慣れないジャンルの本って躓きやすいんだけどね(初めてSFに触れた時なんか一冊読むだけですごく疲れた)。自分でガンガンハードルあげてくスタイルも惚れる。

 さて、この作品の目玉は「タイトル当て」で推理は自信のある人向け、なのだ。それ故か話が変に難しくならない。ページをめくる手がずっと止まらなかった。止まらなさすぎて、練習問題(本作の醍醐味を理解してもらうために、閑話休題として練習問題が挟まれる)をすっかり忘れて答えを見てしまった。答えを見て「アッー……(苦笑い)」した。たかがタイトル当て、では無い。ギミック抜きにしても面白いのだ。「神の視点」とか、好きな人ならかなり面白いと思う。

「ミステリってなんか格式高そうで近寄り難い……」「挿絵のない本は読む気が失せちゃう……」

みたいな人はこの本から読めばいいんじゃないかな。中盤から一気にバーストかかって序盤とは全く違う雰囲気になるので、万が一、億が一「散々言うてたのにゆうて面白くないやんけ!」ってなっても中盤までは読んで……お姉さんとの約束やぞ。ちなみに、単行本後書きは麻耶雄嵩が書いてます。(文庫版は手に入れてないので知りません……)後書きまで読み応えがあって良いぞ〜

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

○○○○○○○○殺人事件/早坂吝【1000円以上送料無料】
価格:726円(税込、送料別) (2019/11/3時点)

楽天で購入

 

 

キネマ探偵カレイドミステリー   斜線堂有紀

 ミステリでここまで感情高ぶったの初めて。マラソン大会か?ってぐらい疲れた。最初から最後まで全力疾走だった。地の文と会話文でのギャップが強い気がする。主人公格二人の喋り言葉も微妙にクセがあって、小説というよりは映画の書き起こしみたいな感じかなって思った。ジャケ買いする人が多そうだけど、蓋を開けたらびっくり、良い意味でブラックボックス。映画ネタが多いので本格ミステリを求めてる人よりは映画が好きな人、詳しい人やキャラミスが読みたい人向け。僅かなヒントからじっくり推理して鮮やかに正解を導き出す探偵より僅かなヒントから自分の知識で瞬時に正解に辿り着く探偵が好きな人だったら絶対好きだと思う。

 発売当初から噂は聞いていて、新人だと思ってたのに既に4冊も単行本を出してる。(この記事寝かせてる間に有り得んほど新刊出てます……(;;))Twitterで不純文学というSSを連載しているので見たことある人もいるかも。(この記事寝かせてる間に書籍化決定)noteのとある作品が突然非公開になったので、もしかするとこれから何か動きが……!?(この記事(ry)間違いなくこれからどんどん売れる人なので追っておいて間違いはないです、もう絶対売れます。気になる方は「斜線堂有紀 note」「斜線堂有紀 pixiv カタルシスなんて泣いても来ない」で今すぐ検索。はい早く。この人プロなのに自分の文章タダで公開しすぎだろ……


 

 

キングレオの冒険   円居挽

 めっちゃニヤニヤしてしまったんだが……FGOで虚月館、鳴鳳荘を書いてた方。円居さんの探偵と助手は関係が"良い"ので男性が読んでも楽しくない気がしなくもない。文庫本、単行本のカバーそれぞれに良さがあってどちらも眺めていたいんだけれど、"男二人"を全面に押し出さなくても美味しいものが十分あるよね。欲望のままに読み進められる自信がある人には文句なしの作品だと思う。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

キングレオの冒険 (文春文庫) [ 円居 挽 ]
価格:869円(税込、送料無料) (2019/11/3時点)

楽天で購入

 

 

メルカトルかく語りき   麻耶雄嵩

 ほえ〜〜〜っ!!!(CV丹下桜)なんじゃこりゃ〜〜〜!!!推理 #とは(哲学)……推理って何?ミステリすごい。こういうの一生読んでいたい。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

メルカトルかく語りき (講談社文庫) [ 麻耶 雄嵩 ]
価格:704円(税込、送料無料) (2019/11/3時点)

楽天で購入

 

 

あぶない叔父さん   麻耶雄嵩

危なすぎ。

 帯詐欺だと思ってたけど全く詐欺じゃなかった……正直騙されてもいいか、みたいなノリだった。「ミステリを読む」と意気込んで読んだ本は初めてで、それなのにこんな内容だとは。

あぶなすぎて漏らしそうだった。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

あぶない叔父さん (新潮文庫) [ 麻耶 雄嵩 ]
価格:693円(税込、送料無料) (2019/11/3時点)

楽天で購入

 

 

・翼ある闇

・美袋のための殺人  

この二巻も同じ作者・麻耶雄嵩がてがけているのですが、何を話してもネタバレになる気がするので控えておきます……

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫) [ 麻耶雄嵩 ]
価格:825円(税込、送料無料) (2019/11/3時点)

楽天で購入

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

メルカトルと美袋のための殺人 (集英社文庫) [ 麻耶雄嵩 ]
価格:858円(税込、送料無料) (2019/11/3時点)

楽天で購入

 

 

 

 神様ゲーム    麻耶雄嵩

 よくこの文庫から出版したな?許可降りたのすげーな……誰にも読まれたくない……子供・友人・親・先生とりあえず誰にも読まれたくないな。でもこの本を読めて本当に良かった……ってなる一冊。フォロワーに「自分の子供に読ませたい!」って言われたから読んだのに。読了後誰かに教えたくて教えたくて仕方が無いのに歯を食いしばりながら鍵付きの引き出しにそっと閉まってしまう。たまに取り出してはラストを何度も咀嚼して、誰かにこの感情を伝えたいのに、でも……と悶絶する。近年ではSNSだけの関わりを持つ人も増え、様々な感情を共有出来るようになったけれど、発売当初はどうだったんだろう?なんでも話せる、余程気の合う友人でもいないと、気が狂っていたに違いない。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神様ゲーム (講談社文庫) [ 麻耶 雄嵩 ]
価格:583円(税込、送料無料) (2019/11/3時点)

楽天で購入

 

 

掟上今日子の備忘録   西尾維新

 ドラマ化したし「ここから西尾に入ったよ!」「西尾作品はこれだけなら読んでるよ!」って人も多そう。私は無意識に読んでいたミステリの一つだね。西尾維新みは薄い。というか西尾維新はミステリを書くと途端に毒が抜けませんか?いや、悪い意味ではないですよ。物語シリーズ戯言シリーズしか読んでない人とかは西尾維新のミステリを読んで驚くべきだね……いやほんと。可愛らしいアンチミステリ、って印象。内容は全く可愛らしくないんだけど。

 主人公の今日子さんは通称忘却探偵。一日で記憶が消えてしまう

例えば麻耶雄嵩とはかなり逆のタイプで、推理で面を食らうというより犯行法で面を食らう、って印象。ホワイダニットもフーダニットも明かされず、ハウダニットだけ突き止めて終了……ってこともしばしば。

 追伸・ドラマ版は新垣結衣が可愛すぎるので是が非でも見てください。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

掟上今日子の備忘録 [ 西尾 維新 ]
価格:1375円(税込、送料無料) (2019/11/3時点)

楽天で購入

 

 

美少年探偵団    西尾維新

 題名の通り、例に漏れなく美しい主人公と、会うべくして出会ってしまった美少年達が事件をこの世で最も美しい解決へ導く爽快青春ミステリ!いつもの西尾維新だ……掟上今日子とは違って、ラノベ文体に近い西尾のミステリ。初めて読んだ時思ったんだけど、もしかすると登場する人物の(見た目)平均年齢で文体を分けてたりする……?

 これも無意識に読んでたミステリなんだよなぁ。探偵団って題名に入ってるのに気づかないものなんだ。今まで"ジャンル"で本を読もうとしたことがなくて、作家買いだとかネットサーフィンで気になった本を片っ端から読んでいく感じだったので、SFの本を読んでいこう、とか恋愛ものを読んでいこう……みたいにジャンルで切り込んだことが無かった。広い目で本を読むって中々難しいね……乱読派だなんていいつつも偏ってるものだ。友人に「主人公がお前(私)に似てる」と言われたので苦手な人がいるかもしれない。私は大好きなんだけど……自分のボケが回収されないツッコミみたいな立ち位置のせい?あと西尾維新にしては名前のインパクト弱めだよね。悪い意味じゃないけど、「どんな頭してたらこんな人名思いつくんだ?!?」みたいな感情は抱かなかったかも。西尾特有の名前が苦手って人も結構見かけるけど美少年探偵団は大丈夫じゃないかなぁ……いつものインパクトが強すぎるってのもあるけど、それぞれのキャラの出自や能力に関連した名前だからかな。西尾維新って苗字と名前のバランス一ミリも考えてないくらい激強の名前考えますけど

 例:>>戦場ヶ原<< >>ひたぎ<<

            (せんじょうがはら ひたぎ)

 ・地名と土木関係の用語

 例:>>空空<<>>空<<

             (そらから くう)

 ・そのまま(絶句)

美少年探偵団シリーズは比較的穏やかな気がする……瞳島眉美って名前見た瞬間どんな眉強女子なんだよ!て思ったけど瞳に合わせて持ってきたんだろうね、多分。札槻嘘(ふだつき らい)は読み終ったあと、話を書き終わってから名前を決めてる?!それかキャラを作った時点で既に物語の構想が細部まで確定してるの?!ってびっくりしてしまった。

 個人的なおすすめポイントは、探偵団のメンバーは全員校内で知らない人はいないくらいの有名人なのに、探偵団の存在は秘密裏かつメンバー同士が表立って仲良くすることはないって所。良くない?そういうの……。キナコさんのイラストも最高。主人公のビジュアルが明かされた時の興奮が、分かるか、この、激熱感情が…… コミカライズも出てるんだけど(作画が心霊探偵八雲のコミカライズの人)主人公の探偵団入団以前のビジュアルはコミックスでしか明かされてないので読む価値アリアリのアリ アララララララララライ

 とにかく美しい!出会いから日常、受注から解決、推理までも星のように煌めく指輪学園中等部美少年探偵団の活躍……覗いて見ませんか?というかこの子達中学生なんだよな、それにしては風刺とツッコミが鋭すぎだろ……(西尾維新あるある その1)(続かない)


 

 

屍人荘の殺人   今村昌弘

 最後はこちら。すごく話題になってたので読んだ。

引き込まれる文章にキャラクター、設定。見たことも無い推理。鮮やかなのに、どんよりとした雰囲気。コミカライズが連載中、映画化決定。ミステリ初心者でも読みやすいと思う。繊細な人間関係に綿密なストーリーが絡んで最高に面白い一冊です……

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

屍人荘の殺人 (創元推理文庫) [ 今村 昌弘 ]
価格:814円(税込、送料無料) (2019/11/3時点)

楽天で購入

 

 

 

 

 

読んで頂きありがとうございます。我らが神紅のホームズに習って、最後は清く美しく。さようなら。

人の隣で生きること

 都会一人暮らし言うと田舎で過ごすより孤独感を感じそうなものだけど、実際はそうでも無いのかもしれない。閉塞的な環境下の息苦しさも、常に人の隣で生きているからこそなのではないだろうか。

 たまの休みにこうして地元を離れると、あまりの人の多さに呼吸を忘れそうになる。正確には「呼吸のタイミングが掴めなくなる」だ。すれ違った人にこの喉の詰まりを勘づかれているのでは?とすら思い込んでしまうほどに、人の波は私の心を追い詰める。

 あるバラエティ番組で、上京したての女子大生が「人が泡だ」と言っていたのを思い出した。街に溢れる誰も彼も、一度すれ違った時点で繋がりは消える。浮かんで弾けて消えてしまう泡も、同じ泡と出会うことは二度と無い……そう考えれば詩的な表現だと思う。他にもよくある例えで、「人がゴミのようだ」がある。私はこっちの方がずっと自然な感想だと思っていて、何千何万という人間が一度に視界に入った時、自分をそこに投影するのはすごく難しいことなのではないだろうか?「幾万のゴミを見つめる私」ではなく「同じく幾万の泡になる私」になる、その捉え方の違いは一体どこから来るもののせいなのだろうか?

 モヤモヤしながら人波をかき分け、たどり着いたデパート*での服屋でトップスを手に取った。気が付くと店員が隣にいる。

 

*少し話が逸れるが、ショッピングセンターというのは田舎臭くて嫌だ。デパートというと年寄り臭く感じる。それでも都会の人々はたくさんのテナントが収容された何階にも連なる建物をデパートと呼ぶのだ、ちなみに田舎にデパートなんてひとつもあらへん……とそう教えこまれてきた。私はずっとそれを信じて生きてきた(それはそれでどうなんだ)。だが蓋を開けてみれば、こんな田舎にも一応デパートと呼ばれるものはあるらしいし、デパートと呼ぶ店の例として教えられてきたもののいくつかは「大型ショッピングセンター」だった。幼い頃の私は、先日「教会だよ」と言われていた建物に幸福の科学の看板が掲げられていたのを見た時より傷ついた。

 

「こちら色違いも」

「い、いえ。結構です」

手に取っただけで?

……雑貨屋を訪れる。

「可愛いですよね、私も持ってるんです」

見ただけで?

……文房具屋を訪れる。

「大変スマートなフォルムになっていて」

 ここは全てが干渉される場所なのか。人の輪ってここまで早く展開出来たっけ?と感心しながら、数多の優しさや気遣いや忖度で血の滲んだ喉を労る。でも、この痛みが何より孤独でない事の証明足り得るのではないかと痛感する。きっと暖かいのだろう。

 泡にはなりたくないけれど、将来は、一人暮らしをしてみたい。

Heaven's_Feel 2章 根源の地の観測者

  •  ネタバレ有り

 

 本当に、あの1章を超える作品を見ることが出来るのだろうか。本当に、あのクオリティのまま2時間を過ごすことが出来るのだろうか。期待と、それから疑問を持って劇場へ足を運んだ。

 

 1章は登場人物へのマイナスなイメージを持たせないよう、士郎の主観的な表現が多いような気がした。("今はまだ")全員に平等な正義の味方が誰かを特別に良く、誰かを特別に悪く見ることは無いから。ヘイトが集まってしまうであろうシーンも、士郎という正義の味方の目を通す事で比較的心穏やかで居られたのだと思う。 

  2章では、前半は比較的戦闘シーンがぶっ続けで、前回のセイバー召喚時の様な思い切ったカットは特に無かった。

 そして、客観的な演出が多かった印象を受けた。セイバーオルタとバーサーカーとの戦いで、無駄に士郎やイリヤが手を出すこと無く、そのおそろしく強大な力を持つサーヴァント達の戦いを少し離れた場所で見ることで、セイバーオルタをより悍ましい存在の様に感じさせる。原作中の表現では、「いやどう考えてもお前もレンジ入ってるから!!」というシーンがどうしても存在している。正直2章でも、爆風の大きさ的にその距離でも怪しいのでは?というシーンがあったものの、前述の様にセイバーオルタの圧倒的な攻撃力を目の当たりにするという点では良かったのだと思う。セイバーオルタは絶対にメディアミックス補正で原作の何倍か強くなってた。(り、凛ちゃんが宝石使ってたんだよ……)  (対城宝具なのにとか言わない)

 戦闘終盤、イリヤは我慢出来ずにバーサーカーと叫ぶ。バーサーカーイリヤの声を聞き、覚醒したかの様に再び戦闘を続行する。対して、バーサーカー撃破後にセイバーオルタが士郎の元へ来た時に、士郎もセイバーと叫ぶが、セイバーオルタは応えてはくれない。彼女はもう彼の知るセイバーでは無かった。大きな対比と、小さな対比。沢山散りばめられているそれが、物語の大きさを語っているようだった。

 2章からは、士郎達が本格的に戦闘に巻き込まれ、サーヴァントという人ならざるものの力や在り方を実感する。体も心も、日常と平穏から遠のいていく。故に、思わず顔をそむけたくなってしまうシーンも多かった。冒頭、1章のラストで出会った黒い影が士郎を阻む。それに飲み込まれ(た?)そうになった時、これ以上無いくらい醜いものを見たというように恐怖で体を捩らせた。この時点ではまだ影が桜と似ているとは感じていないようだった。勿論士郎が桜に影の時のような反応をすることは無い。例え、桜が影だと気付いても。終盤で"桜の"影を見て、「気付くな」と自分に言い聞かせるシーンがある。気付いてしまってなお、彼女を抱き締め、知らない振りをする。序盤の反応を見た私達からすれば違和感しか無いと思う。敢えて例えるのなら士郎のあれは、ゾンビ映画で一番最初に転んで襲われるモブキャラだ。ありえないくらい叫ぶ、主人公の親友の友達ポジションの。そのモブキャラがゾンビを抱きしめられるかという話である。HFでは特に、それくらい狂っている。「桜だけの正義の味方」という言葉の重みを嫌という程突き付けられて、このロボットはどうしてこんなに必死に人間の物真似をするのだろうかと頭が痛くなる。

 

 それから、間桐慎二の掘り下げだ。つくづく、繊細な演出に惚れ惚れした。元々ファンの間でも好き嫌いの激しかったキャラだが、勿論固定ファンもある程度いるし、原作・今までのアニメやマンガのメディアミックス……私はどれも見ても嫌いにはなれなかった。そして劇場版第1章。むしろ、もっと好きになれた。今まで公開されることのなかったシーン。言葉は少なく、それ以上に目で交わされる会話。自分勝手で皮肉屋で、でも影では人一倍努力をしている慎二……ちなみに劇場版では、途絶えた間桐(マキリ)をなんとか継がせようと奔走する姿が少しダーティー__なんというか、魔術と向き合うにあたっての過酷な面がピックアップされていたが、コミック版では比較的楽しそうな面が見られる。幼い頃の彼が現在に至るまで、併せて見てみると面白いかもしれない。

 

以下は1章を見た時点での慎二と士郎の関係性のメモ。

大切なもののランキングを1~10で表すとしたら、多分慎二は1か10しかないんだと思う。たくさんの1と、ほんの少しの10で世界を作り上げている。他の人達は1から10までバランスよく割り振る。1からランクアップしていって、ずっと1のままのものは忘れ去られて、また新しい1が出来る。慎二に近づきたい女の子は、その1に入れた事が嬉しくて、きっと私もいつかは10になれるんだとそう思う。でもそうではなくて、ずっと1のまま。慎二は自分の中のランキングを一番最初に決めてるんじゃないのか。きっと、文化祭の仕事を手伝ったあの日から士郎は慎二にとっての数少ない10、だった。士郎もそれを分かっていたような雰囲気がある。士郎もまた慎二を大切に思っていて、慎二もそれを分かってた。でも、たったひとつだけすれ違いがあった。士郎の世界は、10だけで出来ていた。元々1なんか無い。全てを救おうとする人間が物事にランキングを付けるわけが無かった。

 

 例えば、仲良くしていた女の子に告白されて付き合ったものの、その男の子には彼女が沢山いて、その男の子が言うには「僕は全員平等に愛しているんだ!」みたいな。しかもそれが本当。同性同士の問題を異性関係に置くと違和感あるかなと思ったけど、そんなに無いじゃん……

 

 本題に戻るが、私はなんだかんだで間桐慎二の事を嫌いになれずにいた。しかし2章、お前だよ!お前お前お前!前述のように、客観的な演出になっているせいで、士郎の正義の味方フィルターが外れてしまっている。女を傷つけ、実力不足をサーヴァントに押し付け醜い言い訳をする慎二を好きのままでいられるファンが一体どれだけいたのだろう。Fateの登場人物というのは、良くも悪くも、揃いも揃って我慢が得意な人が多いと思う。士郎、凛、桜、ライダー……彼を取り巻く人達は何らかの形で我慢をしているというのに、いとも簡単にその限界値を超えプッチンしてしまう慎二がとびっっっきりヒールに描かれている。その後、凛が遠坂の管理者として桜を殺すと決意する時。同じヒールでも印象は180度違う。その上、そもそも桜が暴走したのは士郎を助ける為に凛がアーチャーを従えて突入。正規ヒーローからヒールへの暗転……脚本家の指揮はどうなっているんだ。天才にも程がある…… 

f:id:hairienomoto:20190202173810j:image

  一応慎二の弁護をしておくと、士郎、凛、桜が自分には到底理解できない話をしている。それが彼にとってどれ程苦痛だったのだろう。ここの蚊帳の外に出されている演出が最高に上手かった。慎二が嫌いなものは「無条件の幸福」。彼は士郎がどれだけの鍛錬を積み重ねてこの戦いに挑んでいるかを知らない。凛がどれだけ魔術と向き合い、戦ってきたかを知らない。背骨にナイフを突き刺すような鍛錬も、魔術刻印の拒否反応を抑える為の努力も、遠坂としての生き方も。……どうしてアイツは、魔術師でも無いのにマスターなんだ。アイツはご立派な家の出なのだから、強くて当然だろう。いい教育を受けて、マスターになる為に育てられて……寧ろそう思っていたことだろう。彼の嫌いなものそのものだ。……しかし。自分は桜の力を借りて魔術書を使うことでしか魔術を扱えないのに、いきなり自分を殴ってきた士郎には間違いなく魔力が宿っていた。魔術師でないと思っていたかつての友人は、魔術を扱うものだった。それを知った時の彼の心情を理解出来るものがいるだろうか。

 1章を見直して分かったのは、桜が暴走するきっかけになったイヤリング、ライダーが士郎を助けてる間に慎二が作ってた。一瞬笑っているようにも見えるけど、やっぱり顔をしかめる。どういう意味なのだろう。桜への贖罪のつもりなのか、やはり自らの境遇への憤りなのか。自宅で桜を襲おうとした時も、「僕とどれだけ醜く交わったか」という表現をしていた。桜へ怒りなり何なりを抱いていれば、「どれだけ醜く乱れたか」だとか「どれだけ醜く喘いだか」といった表現になるのではないだろうか。わざわざ"僕と"なんて言葉をつけて"交わる"と言うことでお互い様だと言うような物言いに、桜本人への怒りはあまり感じられない。図書室でも「みんな桜のことばかり(要約)」と言っているように、「自分がこんな思いをするのはお前がいるからだ、みんながお前に失望すればいいんだ」みたいな幼稚園児みたいな発想があるように思える。(間桐シンジくんは八歳だし、仕方ないね……) 

 ちなみに言峰が桜を助けた時に、魔術刻印を全て使ったと聞き凛が頭を抱えるシーンがある。原作では詳しい説明があるが、劇場版では省かれていた。魔術刻印とはその家の歴史そのものなのだ。生涯をかけて育て、自分の子孫の為だけに残すもの。それを言峰はいとも簡単に全て使ってしまった。もう少し掘り下げて欲しかったとも思うけれど、頭を抱えるという事で重大さを表現出来るのはアニメならではの強みだ。それを踏まえてライダーへ放った「だってあの人、私より弱いもの」発言……桜は士郎が桜を殺そうとした翌日、ライダーに「先輩を殺さないでくれてありがとう」とも言うけど、なにか違う、ライダーへの感謝というよりも独白に近いもののように感じた。それから「兄さんは約束を破りました。先輩は殺さないって言ったじゃないですか」というセリフ。正直、何を言っているんだろう、と思った。他ルートを見てきた私達からすれば、ライダーに負けてしまう士郎とセイバーで無いこと、士郎の潜在能力が嫌という程分かっている。加えて桜自身、「先輩は、きっと私たちの誰より強い」と言っている。ライダーの正式なマスターである彼女が、慎二が士郎を殺せるだなんて思うわけがないのだ。それなのにわざわざそんな約束をしたのは一体何故なのだろうか。

f:id:hairienomoto:20190202173832j:imagef:id:hairienomoto:20190202173836j:image

 桜(影)の捕食シーン。桜には意識が無い、という表現を今までに無いメルヘンワールドで描きあげた。桜ファン大歓喜の可愛いドレス。醜い影を、綺麗だと喜んで身に纏う。それを纏うことを良してしまったが故に影に呑み込まれることになってしまったのかもしれない。次から次へと、誰に言われるまでもなく捕食を進めるそれはエリザベート・バートリーの「誰も教えてくれなかったじゃない」に通ずるものを感じた。

 

 1章の時から感じてはいたけど、空が強調された演出が多い。アーチャーが影に飲み込まれた後、空がこれまでに1度も無かった深紅と青に染まった。本当に驚いた。まるで、この街・冬木の行く末を描いているようだった。これは1章を見ていた時の空についてのメモ。

紫の空が多くなっていって、"桜の街"感が出てくる。

さっきの紫の夕暮れのすぐ後、セイバーと士郎の距離が縮むシーンがあるんだけど、夜が開けていって青が多くなるの本当にエモい。セイバーの為に用意された空。

 

冬木は見ている。この街の未来と、マスターの最期を。根源に至るその日を掴むのは霊脈だけでは不可能だ。だからこそ、彼らの歩みを、戦いを、祝福しているのかもしれない。

 

書くまでもないと思ったけど一応……本編とは関係ないこと

エンドロール、彩色・蒼月タカオ で泣かなかった人いる?絶対いないと思う……あと花の唄って最初にノイズ?みたいな音がある気がする。I beg you、夢の中のメルヘンワールドからの黒桜の流れで持ってきたのやばくない……化けすぎだろ……全体的に桜の在り方、黒桜の本質をそのまま歌詞にした曲だけど原作では終盤凛に諭されるんだよね。花の唄ではサビまでが影の心の内、サビからが黒桜の本音みたいな印象があるし最終章の曲では凛への感謝みたいな歌詞があってもおかしくない……

 

 

 2時間はあっという間に過ぎてしまった。奈須きのこ公認の桜研究家、須藤監督にしか出来ない作品だった。「そういえば原作はエロゲだよねw」なんて言われていた作品にここまで絶対的にエロの必要性を感じさせるとは。……良くも悪くも、メディアミックスとは取捨選択で出来ている。原作ファンの思いを受け止め、完璧な形で完成させたスタッフに最大限の敬意を。

 


 

劇場版Fate/heaven'sfeel1章の感想

⚠️ネタバレしか無い

⚠️ほぼ箇条書き

 

ufotableの作画、エフェクトとか背景が綺麗なのは分かってたけど人間味が薄いような気がしてた。この作品では全くそんな事無くて、寧ろ少し大げさなくらいに感じた。普段注意して見ていない動きとかもしっかり再現してる。寝落ちから覚めた時の動き、首を振った時の髪の動きとか細かくてびっくりした。

・低めの身長で胸の大きい桜は、スラっとしてて細めの藤ねえと並ぶとすっごいバランスが良い。黒セーラーだと着痩せして見える気がする。

・士郎が思ったよりムキムキ。慎二くんと身長同じ、体重1キロ違いなので、慎二くんにその分肉があると思うと萌える。

・原作に無いシーンがかなり追加されてる。「自分の鍵を、あまり使わなくなった」って表現好き。サンタコスの藤ねえは見どころ。お酒飲んだ藤ねえ可愛いなぁ……そして当たり前のように桜の隣に座る士郎。

美綴の出番が結構多い。弓道部時代のシーンが多いからだと思うけど。

・スーツの藤ねえ……

・夕暮れの色合いが全部違う。

オレンジ~赤みたいな燃える夕暮れじゃなく、ピンク~紫みたいな夕暮れが多い。切嗣に助けられた時のあの炎を連想させないようにかな。

・士郎が割と初めから桜にデレデレ。凛ちゃんとの"共闘仲間"感が原作より強い気がした矢先に士郎が吸血の夢を見たのでこの文章はボツ。

・慎二の無言の表情カットが多い。すごく滾る。

・……藤ねえのズッコケ授業シーン入れてくれないの……?

・士郎、真っ先に慎二のこと考えるあたりやっぱり仲良かったんだなと思い知らされる。

・士郎の「ハハッ」って笑い乾きすぎてて怖い。

カットの仕方が斬新。セイバー召喚と凛ちゃんとの出会いを描かないことで"桜の為のルート"感がより濃くなってる。こんなカット初めて見た……

・綺礼の髪がふわふわ

・"生きている限り聖杯戦争に巻き込まれる"みたいな表現が多い。

イリヤの「サーヴァントが覚えているわけないわよね」そういえばセイバーってイリヤのこと知らなかったっけ?

バーサーカーのサイズが割とコロコロ変わって草

・「誰かの味方になると言うことは、誰かの味方をしないということなんだ」わざわざ遠回しな言い方で敵という言葉を使わなかったのは、その人次第でなる事もならない事も出来るということか、教えてくれなかったのかが気になる。

・セイバーの生と聖杯への欲望が強い。なんかがめつい。

・士郎の「あんな子供も参加しているのか……」でセイバー顔伏せるの、ライダーが見てるのに気づいたからかと思ってたけど、自分もそんなに年齢高くないからなんだろうか……

・ライダー、美綴がケガしないように凄く丁寧に寝かせてる。

・「当然だろ?」の所、慎二も間桐なんだ!と悲しくなる。

・あの本が燃えたの、紫の炎って事は魔術によって燃えたのか。

・慎二、士郎のことが嫌いじゃないからこそ自分の嫌いな性格の士郎が許せないのかな。

・凄いことなんだけど、士郎って自分の性格そのものとその元になった切嗣を慎二とセイバーに否定されてるんだよね。それでも慎二は士郎を嫌いになれず、セイバーは士郎には心を許し信頼している……

・慎二、「無条件で幸せな空気」が嫌いらしく、作中さほど描写されてないけど優等生なんだよね。私はそれを慎二の努力あってのものだと思っていたんだけど、wikiにはさほど努力していなくても成果を得られると書いてある……関連性は無いのか……へぇ……

・紫の空が多くなっていって、"桜の街"感が出てくる。

さっきの紫の夕暮れのすぐ後、セイバーと士郎の距離が縮むシーンがあるんだけど、夜が開けていって青が多くなるの本当にエモい。セイバーの為に用意された空。

・凛と士郎、屋上直座りじゃなくてベンチになってる……!!しかも冬なのにクソ寒制服コーデじゃなくて可愛い真っ赤なコートになってる……!!良かった……!!

・慎二の胸倉掴むシーン、ビンタするかそうでないか選んだような気がするけど、慎二くんに煽られてデコぶつけられる……になってる

・夕暮れバックのハサン、空が真っ赤なの皮肉。君も四次サーヴァントだったか……

・士郎が高跳の練習してるシーンの空が真っ赤なのは原作に基づいてかな、と思う。

・なんで綺礼のハフハフシーンカットされてるんだ……レーディング引っかかるからか……でも中華娘のボイスまでカットしなくても……

・柳洞寺、思ってたより階段が長い(原作で省略されすぎ)

・麻婆シャバシャバじゃん!!

・戦闘シーン以外ほぼBGMが無い!原作では絶対にねじ込んできたのに!!

・這うことも飛ぶことも出来る刻印虫、なんなんだ……

・全員が選ばれし英雄!って感じする 良い風潮

士郎、無意味なバク転はやめた方が良い。

刻印虫さん士郎に甘くない?もっと雁夜おじさんの時見たく手厚い歓迎お願いしますよォ!

・桜ちゃんに白シャツを着せた制作班有能……

・これ、「桜ルートが好きな人」より「ステイナイト」が好きな人のための映画だな……どのルートのいい所もよりどりみどりだ……

・慎二くんが魔術の勉強してるシーン重要すぎる 望みはあるのか?!

・めっちゃ巻くけど尺そこまで足りないのかな?

・zeroの時より修練場広がってるね。リフォーム業者に頼んだの?

・他のルートで桜ちゃんが気づいてなかった(気づいてないフリ?)のやっぱり天文的な確率でしょ……

・TROYCA(事件簿制作する会社)も関わってた

・最後まで梶浦さんの曲が言いに尽きる……

 

・heaven'sfeel、桜のための物語でもあるんだけど必然的に慎二にもスポットが当たっているのが慎二大好きマンとしては非常に嬉しい。

"必然的に"という事は、元々彼らが深く関わっていたということであり、三本の糸が絡みついていたはずがいつの間にかバラバラになってしまったみたいで悲しい。

 

 

他のルートのアニメ見るか原作やってないと分からない内容だったのでこれも

 

 

新年早々3周してる暇があったら詰んでるゲームと本消化したかったし、何より宿題をしたかった。まぁ宿題は見てる間にすれば良かった。でも本当によく出来ていて、言葉では表せない感動があって、改めて本当に見てよかったと思った。あと数日で2章が公開されるこのタイミングで地上波を放送した運営賢い。

Everyday虚言2

暇で暇でたまらない人とかじゃないとオススメできない記事

 

そろそろ同級生からの特定を承知で記事を書く季節になってきた。

 ……いや、やっぱり嫌。私を特定した誰かは、今すぐブラウザバック、履歴、Cookieの削除をするように。

 そういえば昔、体にパソコンに内蔵したものと同じマイクロチップを埋め込み、生命活動が停止したと同時にパソコンのデータが全て消えるというプログラムを真剣に考えるスレを読んだことがあるな……(どういう締めくくりだったか覚えていないけれど、私はスマホからこの記事を書いているのでどうしようもない)

 比較的簡単に実装出来るもので、フェイクのパスワード入力ページを用意して、引っかかった瞬間にパソコンのデータの削除を始めるというものもあるらしいので(うっかりのリスクが大きすぎる気がしなくもないが)気になる人は検索して、どうぞ。

 こんなタイトルを2度も掲げているものの、私は謙虚で誠実なことで有名である。ちなみに自分で謙虚という人が本当に謙虚だった事象に、未だに巡り会ったことがない。

 

 

 

 時は遡り、あれは七月の事だった。暑い暑い夏の話。部活が終わって疲れきった私が、まさにこの道を曲がれば家に着くというその時、同級生とエンカした。遭遇……とは言っても会って話をしたわけでもなく、ただ自転車で走り抜けた道に同級生がいたというだけである。そもそも彼、彼女とサシで言葉を交わしたことは一度もなかった。そう、彼らは二人で、最近誕生したアベック(死語)その二人で私の家路を遮っていた。私の家の近くにある大きな川。それを跨ぐこれまた大きな橋に、彼らは2ケツしていた。

 いや、何。別にどうってことはないさ。付き合ってる人なんて学年に何人もいた。いやでもしかしこの狭い空間、バチバチに交わされる視線__居心地が悪くならない人なんていないだろう。私も、例によって早くこの場から立ち去りたいと思う一人であった。もう一人は一緒に帰っていた友人である。何事もなかった素振りで帰りたい願う私の心とは裏腹に、何故か自転車はキイィィ……とスピードを落とし停止した。おい、ふざけんなよコノヤロウ。嘘だろ。「お前バカ?」と言わんばかりの友人の視線が容赦なく私の横顔に突き刺さる。待ってくれ。違うんだ……その橋の手前は少し上り坂になっていて、スピードは必ず下がってしまうんだよ。そこで驚いてブレーキをかけてしまったものだから、自転車が完全に止まってしまったと言うわけさ。と声を出し説明も出来るはずがなく、数秒間お互いを真顔で見つめ合うという地獄の空間が顕現してしまったわけだ。その時彼、彼女は本当に、いや本当に「早くどこかへ行ってくれ」と願っていた事だろう。ここから早く立ち去らねば……そう思う傍ら、2ケツしたまま橋の下の川を覗き込む二人を見て頭に残る過ぎったのは、幼少(たかだか5年ほど前の話だが)の頃の思い出だった。

 

 話は変わるが私は昔、観賞魚が好きだった。グッピーだかとかベタだとか……本当はカラフルな魚が飼いたかったのだが、許可が下りなかったので川で捕まえた魚をバケツに入れて飼育していたのだった。そんな私を見て、祖母はアクリル製の水槽とエアポンプを買ってきてくれた。アクリル製とはいえ、そこまで安物ではないしっかりとした出来だ。嬉しくなった私は水槽を見つめ、この子達に仲間を連れてきてあげようじゃないか!と、従兄弟を引き連れ新たな川魚の捕獲に勤しんだ。

 とあるケーキ屋の前の用水路で、虫取り網を使って乱獲(語弊)したこともあった。それが一番、効率がいい。だけど私を興奮させたのは、あの橋の下にペットボトルで作った罠を仕掛ける瞬間だった。こっちは効率は悪いし、なにより面倒くさい。2ℓサイズのペットボトルを半分に切って逆向きにくっ付けて、石と魚の食べそうなものを入れておく。底に穴をあけ、ロープをつけて、川に投げ入れる。ロープを橋にくくりつけて放っておくと、一〜二時間もすればそれなりに獲物がかかっている。かなり面倒くさいけど、大物がかかる確率が高い。用水路よりは、ね。さて、その罠を川から引きあげ家まで持って帰るのだが、自転車を全力で漕いで30秒くらい。その間ずっと水が漏れてしまう。無論、水が沢山漏れれば魚が死んでしまう。水を入れたバケツに入れて持って帰るという案もあったのだが、重さで取っ手が取れてしまう。たらいに入れようにも、幼い私達には重すぎた。よって、ペットボトルの水が無くなる前に、一人が自転車で家まで全力疾走するという方法をとっていた。

 

 とまぁ、正直言えば今の話はする必要は無かったのだけれど……私達があの川で魚を捕獲していた際に、同じシマで似たような事をしていた内の一人が先程話したカップルの彼氏の方だった。橋から川をじっと見つめているその様は、あの頃見た景色と全く同じだったのだ。反射的に

 

「魚釣りデートか?!?!?」

 

と心の中で叫んだ私とは裏腹に、友人は「へぇ、男子の方が後ろに乗ってんのか……」と冷静だった。そうね、尻に敷かれてそうね……

 私は完璧に、魚釣りデートで間違いないと思うな!!

 

 後日あれは確実に魚釣りデートだとクラスメイトに言いふらす私に朗報が届く。

私が通った時間の一時間前、クラスメイトが同じ場所を通った時、全く同じ状態の彼らを発見したらしい。一時間。一時間である。思い出して欲しい。ペットボトルの罠を仕掛けてから獲物が掛かるのに、一、二時間を要する。

 

 

 

 それ、完璧に魚釣りデートじゃん……?

 

 

 

 

 

※以上の文章は、クラスメイトから満足な受けを得られなかった為(というか全くウケ無かった為)ムキになった私が、心情を交え適当に再編集したものです。