RUIN

さよなら、月の

Everyday虚言2

暇で暇でたまらない人とかじゃないとオススメできない記事

 

そろそろ同級生からの特定を承知で記事を書く季節になってきた。

 ……いや、やっぱり嫌。私を特定した誰かは、今すぐブラウザバック、履歴、Cookieの削除をするように。

 そういえば昔、体にパソコンに内蔵したものと同じマイクロチップを埋め込み、生命活動が停止したと同時にパソコンのデータが全て消えるというプログラムを真剣に考えるスレを読んだことがあるな……(どういう締めくくりだったか覚えていないけれど、私はスマホからこの記事を書いているのでどうしようもない)

 比較的簡単に実装出来るもので、フェイクのパスワード入力ページを用意して、引っかかった瞬間にパソコンのデータの削除を始めるというものもあるらしいので(うっかりのリスクが大きすぎる気がしなくもないが)気になる人は検索して、どうぞ。

 

 

 こんなタイトルを2度も掲げているものの、私は謙虚で誠実なことで有名である。

 

 

 

 時は遡り、あれは七月の事だった。暑い暑い夏の話。部活が終わって疲れきった私が、まさにこの道を曲がれば家に着くというその時、同級生とエンカした。遭遇……とは言っても会って話をしたわけでもなく、ただ自転車で走り抜けた道に同級生がいたというだけである。そもそも彼、彼女とサシで言葉を交わしたことは一度もなかった。そう、彼らは二人で、最近誕生したアベック(死語)その二人で私の家路を遮っていた。私の家の近くにある大きな川。それを跨ぐこれまた大きな橋に、彼らは2ケツしていた。

 いや、何。別にどうってことはないさ。付き合ってる人なんて学年に何人もいた。いやでもしかしこの狭い空間、バチバチに交わされる視線__居心地が悪くならない人なんていないだろう。私も、例によって早くこの場から立ち去りたいと思う一人であった。もう一人は一緒に帰っていた友人である。何事もなかった素振りで帰りたい願う私の心とは裏腹に、何故か自転車はキイィィ……とスピードを落とし停止した。おい、ふざけんなよコノヤロウ。嘘だろ。「お前バカ?」と言わんばかりの友人の視線が容赦なく私の横顔に突き刺さる。待ってくれ。違うんだ……その橋の手前は少し上り坂になっていて、スピードは必ず下がってしまうんだよ。そこで驚いてブレーキをかけてしまったものだから、自転車が完全に止まってしまったと言うわけさ。と声を出し説明も出来るはずがなく、数秒間お互いを真顔で見つめ合うという地獄の空間が顕現してしまったわけだ。その時彼、彼女は本当に、いや本当に「早くどこかへ行ってくれ」と願っていた事だろう。ここから早く立ち去らねば……そう思う傍ら、2ケツしたまま橋の下の川を覗き込む二人を見て頭に残る過ぎったのは、幼少(たかだか5年ほど前の話だが)の頃の思い出だった。

 

 話は変わるが私は昔、観賞魚が好きだった。グッピーだかとかベタだとか……本当はカラフルな魚が飼いたかったのだが、許可が下りなかったので川で捕まえた魚をバケツに入れて飼育していたのだった。そんな私を見て、祖母はアクリル製の水槽とエアポンプを買ってきてくれた。アクリル製とはいえ、そこまで安物ではないしっかりとした出来だ。嬉しくなった私は水槽を見つめ、この子達に仲間を連れてきてあげようじゃないか!と、従兄弟を引き連れ新たな川魚の捕獲に勤しんだ。

 とあるケーキ屋の前の用水路で、虫取り網を使って乱獲(語弊)したこともあった。それが一番、効率がいい。だけど私を興奮させたのは、あの橋の下にペットボトルで作った罠を仕掛ける瞬間だった。こっちは効率は悪いし、なにより面倒くさい。2ℓサイズのペットボトルを半分に切って逆向きにくっ付けて、石と魚の食べそうなものを入れておく。底に穴をあけ、ロープをつけて、川に投げ入れる。ロープを橋にくくりつけて放っておくと、一〜二時間もすればそれなりに獲物がかかっている。かなり面倒くさいけど、大物がかかる確率が高い。用水路よりは、ね。さて、その罠を川から引きあげ家まで持って帰るのだが、自転車を全力で漕いで30秒くらい。その間ずっと水が漏れてしまう。無論、水が沢山漏れれば魚が死んでしまう。水を入れたバケツに入れて持って帰るという案もあったのだが、重さで取っ手が取れてしまう。たらいに入れようにも、幼い私達には重すぎた。よって、ペットボトルの水が無くなる前に、一人が自転車で家まで全力疾走するという方法をとっていた。

 

 とまぁ、正直言えば今の話はする必要は無かったのだけれど……私達があの川で魚を捕獲していた際に、同じシマで似たような事をしていた内の一人が先程話したカップルの彼氏の方だった。橋から川をじっと見つめているその様は、あの頃見た景色と全く同じだったのだ。反射的に

 

「魚釣りデートか?!?!?」

 

と心の中で叫んだ私とは裏腹に、友人は「へぇ、男子の方が後ろに乗ってんのか……」と冷静だった。そうね、尻に敷かれてそうね……

 私は完璧に、魚釣りデートで間違いないと思うな!!

 

 後日あれは確実に魚釣りデートだとクラスメイトに言いふらす私に朗報が届く。

私が通った時間の一時間前、クラスメイトが同じ場所を通った時、全く同じ状態の彼らを発見したらしい。一時間。一時間である。思い出して欲しい。ペットボトルの罠を仕掛けてから獲物が掛かるのに、一、二時間を要する。

 

 

 

 それ、完璧に魚釣りデートじゃん……?

 

 

 

 

 

※以上の文章は、クラスメイトから満足な受けを得られなかった為(というか全くウケ無かった為)ムキになった私が、心情を交え適当に再編集したものです。