中学最後のアイマス2 log
中古でアイマス2を買った。250円だった。アマゾンさんにある数々のレビュー、pixiv百科のせいか特に期待はしていなかった。
このゲームをするのは、今まで自堕落に過ごしてきた中学生生活の最後を、美希に捧げる事が目的である。フラリと立ち寄ったブックオフで誓った。安い。…美希は私の時間なんて要らないだろうが、アイマス2を通して私はプロデューサーになるのである。中学生としての私ではなく、プロデューサーとしての私を美希に見てもらいたい。
私がアイドル・星井美希の事を知ったのは8年前の小学1年生の時だ。「太鼓の達人ドロロンヨーカイ大決戦争」を購入した私は、relationsという楽曲に夢中になった。例のスッパーンも個性豊かな歌声を持つアイドル達も、私を虜にした。全て美希が歌唱している訳では無いのだが、ここから私の「アイドルマスター」の世界を広げていくことになった。
美希は本当に失礼な奴だと思う。
監督に挨拶をしに行けば
「あなたの作品は全部見たわ。全部つまらないから映画館で見る時はあなたの映画って決めてるの、とっても眠れてお肌に良いから(要約)」
なんて事を言ってのける。
私(プロデューサー)が(選択肢による)フォローをすると監督は
「久しぶりだよ、君らみたいな正直な奴は。この業界には嘘が多い。…そんなことよりお肌に良い?面白いね、宣伝に使わせてもらってもいいかい?」
と言う。私のフォローが聞いたんだよ!と自惚れたいところだが、普通に監督がいい人だっただけである。
美希が失礼な人間であることに変わりはないが、「正直」で「面白い」人間でもあったのである。
私はアイドルマスターが好きだけれど、彼女らアイドルを「女の子」として扱う事が苦手である。好き嫌いでは無く、上手でないという意味で。
同じ性別を持つ同じ年代の少女と接する、と言うことはさして難しくないはずなのに、アイドルであるという事実がその認識を歪ませる。ステージの上で夢や希望を与えるアイドルは、それこそ人形では無いけれど、私自身と同じである様には思えないのだ。では同じになれば、私がアイドルになればそうではないのか?と言えばそうではなくて、いや全く本当に根本的から違う。輝くアイドルは奇跡や偶然ではなく、暗くて重い毎日の積み重ねで出来ていた。
難しい、アイマス2は。ちょーレッスンってなんやねん。難しいよ。ダンスレッスン鬼畜すぎか。次のステップが下に表示されると知らなくて、ずっと反射神経で押してたよ。プロデューサーがクソだとアイドルもしんどいよ。美希も真も響も泣いてたよ。
「最初だしパーフェクトじゃなくてもいいの」
ってなんでアイドルにフォローされてんねん。
ミリマスやデレマスを長らくやっているけれど、大人数のアイドルを1人でプロデュースするというのは普通無理で、ゲームだからそうなっているだけなのである。最初に3人選べと言われた時、現に迷ってしまった。
アイドルになる、アイドルを育てるというのは常に選択だった。
これからこれを繰り返さなければいけないと思うとしんどいし美希に申し訳がたたない。
ああ、学校に行かなくてはいけない。私は静かに、チュートリアルも終わっていないアイマス2の入ったps3の電源を切った。